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1993年度重大ニユースピック アップ

*国際テロリストを追え
*さわやかになるひととき
*ボーイング社、次期主力旅客機を発表
*アトランタ五輪に新種目
*説得犬
*かんたんな日本語
*中国上海銀行、オンラインシステムを稼動
*全日本おべんとうコンクール開催
*V.R.霊園
*ICBM発射せよ
*無重力の里
*イラクのウルトラマン

■国際テロリストを追え
 警視庁アジトを一斉捜索
 テロ対策に頭を悩ませる各国

【1993/04/01=光デパート】 警視庁は28日、ICPOを通じ国際手配されているテロ組織「国際労働者やおい同盟」のアジトと見られる都内3箇所を一斉捜索し、オフセット印刷物等の証拠物を押収した。今回の捜索はテロリスト拘束を目的としていたが、捜索時アジトには人けはなく、警視庁は逃亡したとみられる「やおいテロリスト」の捜索に全力をあげている。

「国際労働者やおい同盟」の活動は去年夏ごろから活発化しており、イスラム原理主義者による観光客襲撃テロに揺れ動くエジプトを中心に都市型の情報操作テロを展開していた。92年10月にカイロの知識階級にパンフレット「ムバラク(注:エジプト大統領)ラビン(注:イスラエル首相)愛の相剋」が無差別送付されたが、その内容はセーラー服姿のムバラクとラビンが耽美に戯れあう内容の少女マンガで、エジプト政権に大きな打撃をあたえた。エジプト当局は背後にイランの存在をほのめかしつつ、実行部隊は日本人テロリスト組織「国際労働者やおい同盟」であると断定、ICPOを通じ日本の警察当局に捜査協力を依頼していた。

「国際労働者やおい同盟」はモサドとの関与が噂されるなどその実態は謎に包まれているが、犯行動機に一貫性がないことから、無思想劇場犯の集団と推測されている。

今回のカイロ事件においても「ムバラク様っておひげがす・て・き」など意味不明の犯行声明を出しており、政治的背景が不明なことからテロ対策の王道である政治的締めつけが事実上不可能であるため、各国の治安組織は対策に頭を悩ませている模様。

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■さわやかになるひととき
 様々な局面での応用に期待

【1993/04/01=光デパート】 飲むだけで人に爽やかな印象を与えるドリンク剤「サワヤカE」が発売され、陰気な外見に悩む社会人や就職活動を控えた学生に人気となっている。

「サワヤカE」は内外製薬が開発したインキ−α因子抑制剤を配合したサワヤカ促進飲料の商品名。インキ−α因子抑制剤は中枢神経系に広範囲に分布するモノアミン系受容体「インキ系」の酸化酵素MOAに作用し、インキ系の作用を抑制する働きを持つ。インキ系の抑制により交感神経系が賦活され、瞳孔の拡大、自然にこぼれる笑みなど爽やかな表情を生み出す結果となる。

現在「サワヤカE」は個人の服用が中心となっているが、その効果に着目し社会活動の様々な局面で利用しようとする試みが進められている。先日大阪拘置所で死刑執行が行われたが、この際死刑人、執行人、看守はサワヤカ促進剤を服用しており、全員終始笑みを湛えた中での、史上初の「さわやかな死刑」となったもよう。また、機動隊は来年度より放水車、催涙ガス弾の装備を廃止し、サワヤカ促進ガス弾によるさわやかな暴動収拾方針に切り換える。

外務省は国際協力の一貫としてサワヤカ促進剤借款を試験的に行っている。しかし、先月ボスニア・ヘルツェゴビナ地方において国連軍によりサワヤカ促進剤の空中散布が行われたにもかかわらず、クロアチア軍、セルビア武装勢力双方ともさわやかに殺戮を続行し続けたため、戦争抑止としてのサワヤカ促進剤の効果には疑問視するむきが多いようだ。

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■ボーイング社、次期主力旅客機を発表
 革新的な素材を採用
 安全対策も万全

【1993/09/21=光デパート】米ボーイング社はこのほど同社の主力商品である747型の後継機を発表、次期ジャンボ機が再生古紙を原料とした紙ひこうきになることを明らかにした。

ボーイング社のプレスによると、同社は環境問題への配慮から古紙を原料とする機体の開発に長年のあいだ取り組んでおり、次期ジャンボ機を皮切りとして新型機は順次紙ひこうきに切り換えていくという。また、次期ジャンボ機のエンジンも機体の軽量化にあわせ「ゴム動力プロペラ」となる予定で、機体の中央を先頭から後部にかけて張り渡された直径80センチ3本巻きのゴムを巻くことで前部プロペラを回し推進力を得る仕組みになるという。

同社はゴム動力の利点として、ジェット機のように事故発生時に爆発炎上の危険がないうえ、緊急時には乗客乗員が一体となってゴムを巻き人力のみで飛行できる点を強調している。ライバル社であるエアバス社もゼンマイ式旅客機の開発計画を発表しており、飛行機のエコロジーブームは一層加熱の度合いを増しているといえそうだ。

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■アトランタ五輪に新種目
 初のビデオゲーム採用
 時ならぬキノコブーム

【1993/09/21=光デパート】IOC−国際オリンピック委員会はアトランタ五輪の正式種目として任天堂のビデオゲーム「スーパーマリオブラザース」を採用すると発表した。

この決定をうけIOCの各部会ではドーピング防止法について検討を開始したが、競技の性質上キノコの服用にかぎって容認せざるをえないとみられている。

オリンピック出場を目指すゲーマー達は60年代にヒッピーだった父親や母親にキノコの効用について熱心な手解きをうけており、キノコがジェネレーション間の相互理解を深める思いもよらぬ結果を生んでいる。

しかしながら、新種のキノコの効能を自らの体で人体実験する若者もあとをたたず、今年に入ってからのキノコによる食中毒件数増加の背景にはこのキノコブームがあるとみられている。

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■説得犬
 警察犬の適用範囲拡大へ

【1993/09/21=光デパート】警視庁はより広い業務へ警察犬を適用する方針を打ち出し、その手始めとして篭城犯の説得にあたる「説得犬」の導入を平成6年度から開始する。

説得犬隊は全国から哀愁をおびた雑種犬をえりすぐって編成した特殊任務隊で、「悲しい目で相手の良心に訴える」「里心をくすぐる遠吠え」など磨きあげられたテクニックを駆使し犯人の説得にあたる。

東京都下に配属された1個隊4匹の説得犬は既に多大の成果をあげており、管轄官庁である警察庁は全国に説得犬部隊を拡大する構想を打ち出す構えだ。

警視庁ではさらに犯人の取り調べにあたる「自白犬」の訓練にも精力を注いでいる。警察犬訓練センターのある磯子では「ハイライトをタイミングよく差し出す」「ソバ屋に電話しカツ丼を注文する」等の高度な技を習得すべく、警察犬と訓練士が日夜特訓を重ねている。

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■かんたんな日本語
 世界の公用語へ第一歩
 政府主導でわかりやすい日本語に移行

【1993/09/21=光デパート】文部省は在日外国人や有識者からなる諮問委員会に対し、世界の公用語としての日本語普及について答申を行ってきたが、このほど委員会としての結論がまとまり、今後政府の方針として擬態語・擬音語の普及に努めることをあきらかにした。

諮問委員会は設立当初より日本語の難しさが外国人の日本語学習意欲を奪っていると指摘、日本語自体の変革が国際的普及のための前提であるとし、その一環として外国人にもわかりやすい擬態語・擬音語の普及に着目してきた。政府も委員会の方針に沿い、今後政府自治体の刊行物およびNHKにおける表現を順次擬態語・擬音語に切りかえてゆく。

第一段階は形容詞の擬態語・擬音語化を目指し、「柔らかい」は「プルプル」に、「固い」は「ガチガチ」に表現をあらためる。第二段階は名詞、動詞も対象となり、「自動車事故」は「ブーブーガッシャン」にすべて表記しなおされる。

「世界の中の日本」を掲げる細川首相も擬態語・擬音語へ意欲的に取り組むことを明らかにし、首相の合言葉である「政治的直観」も今後は「政治的ピーン!」と表現することを明言した。

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■中国上海銀行、オンラインシステムを稼動
 新技法による驚異の短期間構築

【1993/09/21=光デパート】中国上海銀行は1994年初頭にも中国全土3000店舗を繋ぐオンラインシステムを稼働させる。開発に3年を要するといわれていた巨大なシステムは、半年という超短期間で完成にいたり、欧米諸国の専門家達は一様に驚きの声を上げている。

関係筋が明らかにしたところによると、開発効率の高さの秘密は中国が独自に開発した「システム気功学」の実践にあるという。

システム気功学によるとバグの原因は人為的ミスにではなく、「プログラム内に脈脈と流れるシステム気」の乱れにある。中国上海銀行オンラインシステムの開発においては設計段階から「システム気功士」が気の整流に努めた結果、テスト工程を全て省略しつつ安定稼働をなしとげるという快挙に至った。

ただし、システム気功学によって作られたシステムは常に気の乱れに注意せねばならず、種々の御札が張られた中国上海銀行のコンピュータールームでは24時間体制で気功士が気の乱れに注意を払っている。

なお、山西省にはBASICによる衛星監視システムを1人で作り上げた通称「プログラマー猿」が存在するといわれ、中国の奥の深さは計り知れぬといったところだ。

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■全日本おべんとうコンクール開催
 全国の料理自慢が腕を発揮

【1993/10/04=光デパート】先程千葉県幕張において「日本おべんとうコンクール」が開催され、全国各地から集った料理名人たちが自慢の腕を競った。

 コンクールの個別部門賞である「ウインナー細工の部」では、あるタコの悲劇的生涯を綴り計三十二幕のドラマ仕立てとなった「タコ良の花道」が目を引いたが、大賞は秋田県大里さんの「ワーテルローの戦い」が射止めた。

アイディア部門では東京都清水さんの「反重力いなりずし」が、発想の斬新さを評価され部門賞に輝いた。清水さんはUFOの推進エンジンからヒントを得、かんぴょうをメビウスの輪の形に巻くことで反重力場を形成することに成功、近々巨大いなりによる宇宙飛行も計画しているという。

そして見事大賞に輝いたのは、宮崎県山内さんの「日の丸弁当」。一見シンプルに見えるこの弁当は、米の一粒一粒に般若心経が刻みこまれており、あまりのありがたさに審査員の中には思わず拝みたおす人もいたという。

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■V.R.霊園
 ハイテク寺院の檀家向けサービス

【1993/11/16=光デパート】千代田区の宗教法人、浄真寺は遺骨をロッカーに収める「アパート霊園」を全国に先がけて導入したことで有名だが、この程新たな檀家向けサービスとして「バーチャルリアリティお墓参り」を開始することとなった。

このVRお墓参りは、アパート霊園へのお墓参りは味気ないという檀家の不満を解消すべく3億円の資金を投入して開発されたシステムで、檀家は「バーチャル・スコープ」と光ファイバーを埋め込んだ「サイバーグローブ」を装着することで、室内にいながらあたかも広大な墓地霊園へお参りしているかのような「仮想現実」に浸ることができる。

この仮想現実の中では、霊園の入口から墓石まで歩き、墓石を掃除し花を供えるまであたかも現実の中にいるように体験することができる。住職の島田さんの話によるとお墓参りを怠ると雑草がはえてきたり、墓石が苔むしてきたりするところなど現実感をいかに演出するかに腐心したという。

また、将来はオプションとして「人工知能先祖」を仮想空間の中に登場させる計画もすすめられており、檀家はお墓参りで故人との会話を楽しめるようになる。

浄真寺は檀家以外へも「裸眼立体視遺影」の作成を受けおっており、この秋は遠い目をして故人の遺影を眺める人が増えそうだ。

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■ICBM発射せよ
 ロシア軍、軍費調達に苦肉の策
 ロシア海軍も追従へ

【1993/11/16=光デパート】ロシア軍は日本の旅行会社大手JTBと組み、この冬から「ICBM試射ツアー」を発売する。

このツアーは、START2の批准に伴うICBM解体費用の捻出に悩むロシア軍が、解体の手間を省き同時に収入を得る一石二鳥のアイディアとして考えだしたもの。もちろん核弾頭は撤去されており、地上突入時にはかわりに紙吹雪が吹き出す仕組みとなっている。ツアー参加者はかつてロシア大統領のみが押すことができた「核のボタン」を押す醍醐味を十分に味わうことができる。

また、ロシア陸軍は核ミサイルを広告媒体として利用することも考えており、ファーストクラアントとして食品メーカー永谷園が「さけ茶漬けSS20」を12月にも発射する予定だ。

こうした陸軍の動きに対抗しロシア海軍もSLBM発射ツアーを企画している。タイフーン級からSLBMを発射するこのツアーは、数十ある弾頭の一つに本物の核弾頭が存在することが売りで、海軍では「これが本物のロシアン・ルーレット」とそのスリル性をアピールしている。

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■無重力の里
 ユニークな村おこし事業

【1993/11/16=光デパート】福井県岩槻村では村おこし事業の一環として無重力の里作りに励んでおり、近隣市町村の注目を集めている。

岩槻村では平成2年ふるさと創成基金により温泉採掘に取り組んでいたが、誤って空間の特異点を掘り当ててしまい、村全体に反重力場が形成されてしまった。この事態に村人達は初めはとまどったもののすぐに慣れ、いまでは農夫たちが空中を飛び交い牛たちが群れをなして空を泳ぐ光景が日常茶飯事となっている。

岩槻村は無重力現象をテコに村おこし推進をはかっており、その一環として今年夏に開催された無重力オリンピックでは棒高飛びで佐山茂雄さん(64)が554メートルの世界新記録を樹立、走り高飛びにおいても萩原聡くん(12)が235メートルで男性世界新、市村マツさん(82)が212メートルで女性世界新記録を打ち出しており、今ではブブカをはじめとする世界中のトップアスリート達が岩槻村への移民を希望する事態となっている。

岩槻村ではさらに「一村一品運動」の一環として無重力豚の生産に力を注いでいる。重力の影響を受けない無重力豚は綺麗な円筒形に育つため、一匹ごと「豚のまるハム」に加工することができ、全国各地のグルメたちに好評を得ている。

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■イラクのウルトラマン
 日本のヒーロー、中東で「変身」

【1993/11/16=光デパート】国営イラク放送は来年より「ウルトラマン」の制作放映を開始する。

国営イラク放送の「ウルトラマン」は国民向けのプロパガンダを目的とした娯楽番組で、日本の円谷プロが制作したウルトラマンをイスラム教徒向けにアレンジしたもの。湾岸戦争で殉死したムハンマド(主人公)がアラーの導きにより復活し、大統領親衛隊としての職務をはたしつつイスラムの危機にはウルトラマンに変身し悪の帝国アメリカと戦う。

本家のウルトラマンと異なるのは、「フラッシュ・コーラン」を天に掲げ神へ祈りを捧げることで変身する点。鼻の下に髭をはやした風貌もどことなくフセイン大統領に似ており、「イスラム風」をアピールしている。

イラク・ウルトラマンの第一話は「トマホークを撃て!」。罪のないバクダット市民を殺戮するトマホークに対し大統領親衛隊は超磁力兵器を搭載したソ連製T62で迎撃しようとするが、ステルス戦闘機の執拗な爆撃により妨害される。怒り心頭にはっしたムハンマドはウルトラマンに変身しステルス機を粉砕するが、そこへ巨大怪獣と化したシュワルツコフ総司令官がウルトラマンの不意を突き攻撃を仕掛ける。
ウルトラマンは態勢をたてなおすも運悪く「お祈りの時間」となり、シュワルツコフの情け容赦ない攻撃に耐えながら必死にメッカの方向に向かい祈りを捧げる。祈りを終えたウルトラマンは「スンニ派ビーム」によりシュワルツコフを撃破、勢いにのってペルシャ湾に展開する空母インディペンデンスをも撃沈する。

第二話は「アメリカを打ち砕け!」。いよいよウルトラマンがアメリカに上陸、メカ自由の女神との決戦を迎えるが、ちょうど時期的に断食の月にあたるためウルトラマンのスタミナが懸念され、イラクの子供たちのハラハラドキドキは当分続きそうだ。

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