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ルージュ日記

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1998/6/29
仕事。
雨のせいか客足が鈍い。湿気のために、売り場には化粧品の香りが 鈍くくぐもってしまう。
隣のNO.134は最近減りが早い。担当のたかちゃんがお客さん に奨めているのもあるけれど、やはり今年の流行色だからだろう。
一方的に選ばれるだけの生き方って、つらい。

1998/6/30
私と同じナンバーのルージュをつけた女性を見かけた。
就職面談のときに、いろんな人と触れあえるからと希望した職場。
指導教官に「お試し用のルージュには、辛いこともあるよ」と言われた ことを思い出す。
最近、その意味がわかってきたような気がする。
一度でいいから、コーヒーカップやたばこの吸い口に跡を残してみたい。
満員電車で、見知らぬ人のYシャツにつくのはどういう気分なのだろう。

1998/7/1
仕事。
今日はたかちゃんのセットアップで合コン。男性化粧品売り場は7階 なので、終礼後に1階に来てもらう。
女性化粧品売り場はデパートの「花」であり玄関でもある。
地味な男性化粧品売り場から来たアウスレーゼさんたちは、普段の職場 にはない華やかさに、どよめいていた。
マンダムについて揶揄するような冗談をいうけれど、はっきりいって 男性化粧品のことはわからない。ラベンダーの香りの丹頂チックって、 何?
ちょっと嫌なことを言われ、落ち込む。

1998/7/2
休業日。
昨日の合コンでの一言が気になって寝付けなかった。
「今時ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトを混ぜてるなんて、 ひょっとして君、本当はちふれなんじゃない?」
初対面の女性化粧品に対しちふれ呼ばわりするなんて!
確かにジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトは入ってるけど、 ブチルヒドロキシアニソールだって添加されてるんだから!

1998/7/3
NO.134とはよく話をするけれど、彼女、最近物忘れがひどくなっている。
無理もない。彼女の体は、配属時の2分の1ほどに縮んでしまっている。
人間でいうなら40歳くらいだ。
休み時間に、「ボケを防ぐ食事と睡眠法」を読む彼女の姿を見るのは、 ちょっぴり辛い。
「まあねえ、私みたいに長生きしすぎるのもなんだけど」
長老のNO.223さんがNO.134さんを見ながらつぶやく。
気が強いのは、パ−プル系のルージュ全般にいえることだけど、 NO.223さんは特に遠慮がない。

1998/7/4
悪い夢にうなされる。朝起きると、体にちふれと刻まれている夢だ。
1998/7/5
仕事。
いつも明るいたかちゃんの元気がない。
「仕事上のことで何かあったみたいよ」
NO.223さんは耳が早い。

1998/7/6
また悪い夢にうなされる。今度は、メイ牛山のハリウッド化粧品 になってしまう夢だ。
1998/7/7
今日、2日ぶりにお客さんの指名を受ける。
ついはりきって体を出しすぎてしまい、たかちゃんに注意された。
やぎ座は親友とのトラブルに注意、か。

1998/7/8
たかちゃんの落ち込みの原因がわかった。
このデパート、バブル期のゴルフ場開発が原因で、倒産するらしい。
「売り場がなくなったら、私たちお試し用化粧品ってどうなるか 知ってる?」
NO.223さんが耳元でささやく。
「あのね、この世界のどこかに、ルージュの墓場があるらしいの。
死期を悟ったルージュは、人知れずそこに赴き、静かに死んで ゆくのよ。
役目を終えたお試し用化粧品って、生きながらにしてルージュの 墓場に放りこまれるらしいわよ」

恐くなった。
できれば、たかちゃんがみんなを引きとってくれるといいのだけ れど....

1998/7/9
休業日
NO.134さん、理想はソリマチみたいなヘアトニックって、 現実から離れすぎ....
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