「TRUTH ON TEMPORAL JAPAN」 CHAP.2

第2次世界大戦における日米の戦い、それは東アジアをめぐる覇権の争いであると
ともに、近代的総力戦という構図の中でアメリカと日本という異質な文化を持つ国家
が衝突する価値観の戦争でもあった。
両国の文化背景の違いが最も鮮明になったのは、アメリカ軍が攻勢を強め、太平洋
地域を日本支配から開放していった後半の戦局においてである。開戦当初優勢を誇っ
ていた日本軍は、優秀な指揮官と熟練した兵士によるプロフェッショナルな近代戦を
遂行していた。しだいに戦局の劣勢が明らかになり、敗色が濃厚になったとき、天皇
制を支柱とした前近代的精神主義がグロテスクに露呈し、バンザイクリフ、オキナワ
の集団自決、カミカゼ・アタック等の戦略的に全く無意味な悲劇的抵抗を招いたので
ある。
かたや驚異的な速度で近代化を進めるアジアの先進国家、その表皮を一枚剥ぐと剥
き出しになる前近代的精神主義。アメリカが最も奇異に感じ、恐れたのは日本軍の威
力もしくは日本の国力ではなく、自らの文化とは全く異質な日本人の2面性で
あった。
第2次世界大戦終結後のGHQ占領政策の目的の一つは、象徴天皇制を存続させつ
つ、日本人の前近代的精神性を近代的民主主義精神へと昇華させることにあった。そ
の成果あってか今日、日本は先進諸国の一員として、また民主国家として恥じぬだけ
の社会システムの上に成り立っているかのように見える。
少なくとも、表面的には。
カミカゼ精神。上官への盲目的服従。日本人を前近代的精神へと回帰せしめ、軍国
主義の復活を企む勢力。
以下に伝えるレポートは、一見民主主義国家にみえる日本の裏側で進行する、恐る
べき兆候を暴き出すものである。

日本には「ヤキュウ」という儀式がある。
表面的には、ヤキュウはベースボールと酷似している。だが、ヤキュウはベースボ
ールと似て非なる、得体のしれない何かなのだ。
日本では、ヤキュウはスポーツの一種ととらえられている。だが、我々がスポーツ
の本質として理解するもの一一ルールにのっとったフェアプレイ精神、互いの技量を
切磋琢磨するスポーツマンシップ・マインド、健全な体を育成するトレーニング一一
とヤキュウとは徹底的に無縁であることを強調しておきたい。
日本人の多くは、高校ヤキュウこそヤキュウの本質であると考えている。
高校ヤキュウを英語に訳すならば、HIGH-SCHOOL-STUDENTSによるベースボール・ト
ーナメントとなろうか。しかし、日本の高校ヤキュウは、高校生のスポーツではない。
高校生を利用した、暗黒の儀式なのだ。
高校ヤキュウの参加者(キュウジ)は丸坊主になることを暗に強制させられる。重
要なのは、丸坊主になることが明文的規則として提示されているわけではなく、あく
までもキュウジたちの自発的意思によって尊守される習慣であるという「タテマエ」
に依拠している点だ。
実際のところ、キュウジ達に自発的意思などない。ヤキュウ訓練のなかでキュウジ
達は、自発的意思を捨て、上級生さらにはコーチ、監督に盲目的に従うよう洗脳され
る。アウシュヴイッツのテクノロジーだ。
コーチ、監督にとって丸坊主は洗脳が成功した証であり、立派なキュウジであること
の証明なのである。
キュウジの私生活に対する介入は、髪型だけにとどまらない。静岡県のある高校で
は、スヌーピーのパンツを着用すること、コアラのマーチを足から食べることが禁止
され、これを破ったキュウジはセンパイからリンチを受けるという。

垂直的組織における上意下達への盲目的服従は普遍的な法の精神からの逸脱をも意
味する。戦時中日本軍が国際法を無視し残虐な行為に及んだように、高校ヤキュウに
おけるルール尊守の精神はしばし無視されがちである。
高校ヤキュウにおいてルールブックは殆ど意味をもたない。そこでは、審判の恣意的な
判断が絶対的効力を持つ。
例えば、高校ヤキュウの審判は、ホームランを打ったキュウジが走塁中にコーチと手
を合わせただけでアウトを宣告することができる。この他にも、試合中にベンチの中
でマイム・マイムを踊っていたチームがいきなりコールド負けを宣告される等、審判
の横暴は枚挙にいとまがない。

賢明な読者ならば既にお気付きであろう。高校ヤキュウとは、スポーツという迷彩
服でカモフラージュされた軍事教練である。
高校ヤキュウの聖地コーシエンでは、もっともスポーツに適していない季節/真夏
の炎天下のなかでヤキュウ大会が行われる。カンボジアへの自衛隊PKO派遣におい
て猛暑対策が問題となったが、軍国主義の復活をもくろむ勢力は、猛暑のコーシエン
において軍事教練を行い、アジア派兵への布石を着実に打っているのだ。
新日本軍国主義のフィクサーとしてコーシエンを操っている組織を、コーヤレンと
いう。
今夏のコーシエン大会において強打者を敬遠したチームに対し、コーヤレン会長は
これを非難する声明を発表した。
たとえ打たれるとわかっていてもギョクサイすべし。コーヤレンはカミカゼ精神の
鼓舞にやっきとなっている。もちろん、軍国主義精神を若者に擦り込むためだ。
コーヤレンの洗脳は、キュウジ達の精神を確実に汚染している。高校を出たキュウ
ジ達は、キョジン・アーミー、レオ・アーミーといった民兵組織にすすんで志願する
のだ。
コーヤレンの陰謀に対し、日本のマスコミはこれを批判するどころか、スポンサー
となって煽りたてている始末だ。日本のサラリーマンたちも高校ヤキュウを神聖視し、
「ととかるちょ」という儀式を行い高校ヤキュウ人気を側面から支えている。
もはや日本人に、コーヤレンの暴走を食い止める良識はない。
コーヤレンの恐るべき陰謀。しかしそれは、軍国主義の復活をもくろむ勢力の氷山
の一角にすぎない。
コーヤレンの背後では、さらに強大な秘密結社が勢力を強めている。
秘密結社の名は、タイイクカイケーという。
H.DEPARTMENT
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